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野順子 銅版画展

-龍の在処

2024.3.1(金)​~3.23(土)
11:00~18:00(最終日16:00)

在廊日:3/1(金).2(土).3(日).23(土)
 
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―龍の在処― 長野 順子 銅版画展

 

〈ご挨拶〉

2021年2月にギャラリーいまじん様にて初めて個展を開催して頂きました。当時コロナ禍真っ只中にも関わらず多くのお客様にご高覧頂き、大変実り多き個展となりました。

この度、再び皆様に作品をご覧頂く機会を頂戴し、大変嬉しく思っております。

今回のテーマは「龍の在処」。龍はとても魅力的な存在で、多くの先人たちが様々な姿の龍を描いてきています。富貴吉祥の象徴でありながらも恐ろしげな容姿に表現され、畏怖の念を抱かせる神々しさがあります。私にとって龍とは、恩恵と災厄を兼ね備えた自然環境の象徴のような存在です。

2011年の大震災の後、私は龍の姿に自然への畏怖の念を込めて数点の作品を作りました。そして今尚続く様々な災厄の中、改めて龍を描きたいという気持ちに駆られています。

私は山間の自然豊かな環境の中で暮らし、作品を制作しています。ヒトと密に接するより、植物に埋もれ、野性の生き物たちに触れ合うことが日常です。私はこの世を満たしている物質の一部でしかないと実感し、その思いを作品に投影しています。野性の生き物たちの計り知れない生命力の豊かさを感じる時、そこに龍が存在しているかもしれないと想像が膨らみます。

作品の中に潜む「龍の在処」をご高覧いただければ幸いです。

 

 

長野順子 (銅版画家)

〈略 歴〉

1966年 群馬県出身

1989年 東京藝術大学美術学部建築科卒業

1991年 同大学大学院美術研究科建築専攻修了

     5年間の建築設計事務所勤務の後、

美学校にて吉田克朗氏、清野耕一氏のもとで銅版画を学ぶ

1998年 世田谷区民ギャラリーにて初個展

     以後、東京、大阪、群馬を中心に各地で個展を開催

2000年 群馬県高崎市のアトリエに制作拠点を移す

2008年 木村威夫監督の映画「夢のまにまに」の劇中に銅版画作品が使用される

2010年 高崎市とチェコ共和国プルゼニ市との姉妹都市提携20周年記念事業の一環として、

イジー・トルンカ・ギャラリーにて個展を開催

2017年 作品集「果て無き世界へ」刊行

2018年〜2024年 LIXIL卓上カレンダーに銅版画作品が使用される

【作品ができるまでの工程】

 

銅版画は文字通り“銅”を“版”にした版画です。

木版画でいえば“版木”に当たる版画用の“銅板”は厚さ0.5㎜〜1.0㎜のものが市販されています。私は主に0.8㎜厚の銅板を使用します。

銅版画は主に凹版に属します。彫られた線など凹部にインクを詰めて、エッチングプレス機で高い圧力をかけて紙に版画を写し取ります。

銅版画には様々な技法がありますが、ここでは私が主に使っている“エッチング技法”について概要をご説明します。

エッチング技法は、酸性の腐蝕液によって線や点を“彫っていく”技法です。

  • 銅板は4辺をそれぞれ斜めに削り、板面を紙やすりと金属用の研磨剤でよく磨きます。

  • 腐蝕液に浸す為、裏面はラッカースプレーなどで防食膜を塗布しておきます。

  • 磨いた表面に“グランド”を薄く塗布し、防食被膜を作ります。グランドは、タールと蜜蝋を溶剤で溶かした液状のニスです。

  • グランドが完全に乾いたら、グランドを塗布した銅板に下絵を転写します。下絵とは、作品のためのデッサンをトレーシングペーパーに濃いめの鉛筆でトレースしたものです。トレーシングペーパーに鉛筆で描いた面をグランドの塗布された面に向けて被せ、プレス機で軽く加圧すると鉛筆のカーボンが転写されます。版に刻む画は、出来上がりの画とは左右反対になりますから、上記のような工程が必要になります。

  • 転写された画に沿って、ニードルで軽くグランドを削ります。削ったところは、銅が露出します

  • 削り終えたら、銅板を腐蝕液に浸します。腐蝕時間によって刻まれる線の深さや太さが異なります。私は1回の腐蝕時間は10〜12分。この工程を何度か繰り返して、画面に濃淡を表現してゆきます。

  • 腐蝕後は軽く水洗いし、アルカリ性の液体(主に醤油を使います)で中和して、更によく水洗いします。水気をしっかり拭き取ります。

  • グランドを灯油とホワイトガソリンで拭き取ります。銅板に線が刻まれています。

  • そして刷りの工程になります。エッチング用の油性インクをゴムベラを使って版面に塗ります。刻まれた線の中にインクが入るようしっかり塗ります。その後、ゴムローラーで版全面にインクを広げます。

  • 寒冷紗で大まかにインクを拭き取り、紙(時刻表や電話帳に使われている紙)や人絹で余分なインクと油膜を拭き取ります。

  • 版に紙(水で湿らせて柔らかくしてあります)をのせ、フェルトを被せ、プレス機にかけます。こうして紙に版画が写し取られます。

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